Jリーグのない県は全国で5つ|各県のクラブ候補と今後の可能性

Jリーグのクラブがない県と聞くと、どこなのかはもちろん、なぜまだないのかも気になりますよね。

地元にクラブがある県が多いだけに、空白になっている地域は少し目を引きます。

この記事では、Jリーグのない県を整理しながら、その地域で名前が挙がりやすいクラブや今後の可能性も見ていきます。

一覧だけで終わらせずに背景まで見ると、日本サッカーの広がり方も見えてきます。

Jリーグのない県の今の状況とは

最初に、現在Jクラブがない都道府県と、その地域のサッカークラブの立ち位置を整理しておきます。

Jリーグクラブがない5県の一覧

最新シーズンの結果を踏まえると、J1〜J3のどのカテゴリーにもクラブを持たない都道府県は岩手・福井・三重・和歌山・島根の5県です。かつてJ3に所属していた岩手のように、一度はJクラブがあったものの現在はいない県も含まれます。

代表的なクラブと所属リーグを一覧にすると、次のようなイメージになります(リーグ所属はシーズンごとに変わるため、実際に記事を公開するときは公式情報で最新状況を確認してください)。

都道府県 現在のJクラブ 主な上位カテゴリーのクラブ 所属リーグの目安 これまでのJクラブ経験
岩手県 なし いわてグルージャ盛岡 JFL(J3からの降格後に所属) 過去にJ3所属経験あり
福井県 なし 福井ユナイテッドFC 北信越フットボールリーグ1部 これまでJクラブ誕生なし
三重県 なし ヴィアティン三重 JFL(J3ライセンスを持つクラブ) これまでJクラブ誕生なし
和歌山県 なし アルテリーヴォ和歌山 関西サッカーリーグ1部 これまでJクラブ誕生なし
島根県 なし ベルガロッソいわみ など 中国サッカーリーグ1部 これまでJクラブ誕生なし

いずれの地域にも、Jリーグ参入を視野に入れたクラブが存在していて、J無し県だからといってサッカー文化がないわけではありません。むしろJFLや地域リーグのレベルが高く、地元密着で活動しているクラブが多いゾーンだと考えられます。

J1からJ3までを含めたリーグ構造とは

リーグ全体の位置づけを知るために、J1からJ3までの構造も簡単に整理しておきます。

JリーグはJ1・J2・J3の3つのカテゴリーで構成され、合計で60クラブが所属しています。J1が最上位リーグ、その下にJ2とJ3が連なり、昇格と降格によって毎シーズンクラブの顔ぶれが少しずつ入れ替わる仕組みです。

この3カテゴリーの下に全国リーグのJFLや各地域リーグがあり、Jリーグのない県のクラブは多くの場合この階層に所属しています。ピラミッドのどの位置からスタートしているのかが分かると、J参入までに必要なステップもイメージしやすくなります。

同じ都道府県に複数クラブがある理由

クラブが集中している都道府県がある理由も、J無し県を理解するうえで外せないポイントです。

神奈川や静岡のような地域では人口が多く、サッカー文化も根強いため、複数のクラブが存在しても観客やスポンサーが分散しすぎずに成り立ちやすい環境があります。都市部は交通の便も良く、周辺県からのサポーターも集めやすいという強みもあります。

それに対して人口規模が小さかったり、大都市が少なかったりする県では、1クラブを安定して運営するだけでもハードルが高くなります。同じ全国60クラブという枠の中で、クラブが密集するエリアと空白エリアが生まれている、と捉えるとバランスの違いが見えやすくなります。

Jリーグクラブがない理由と背景

次のテーマは、一部の地域にまだJクラブがない理由と、その背景にある事情です。

人口規模や観客動員のハードル

Jクラブが生まれにくい背景には、人口規模や観客動員のハードルがあります。

クラブ運営にとって、チケット収入は大事な柱の1つです。周辺人口が少ない地域や、県の中に大きな都市が1つもない地域では、J1〜J3のどのカテゴリーでも採算ラインまでお客さんを集めることが簡単ではありません。

同じ地方ブロックの中にすでに複数のJクラブがある場合、観客やスポンサーを取り合う形になる懸念もあります。そうした条件が重なると、Jリーグのない県では「クラブを立ち上げても長く続けられるか」という現実的な悩みが大きくなりがちです。

スタジアム条件とライセンス基準

スタジアムやクラブライセンスの条件も、Jリーグ参入の可否を左右する大きな要素です。

Jリーグに参加するためには、収容人数や照明、ロッカールーム、安全対策などについて決められたスタジアム基準を満たす必要があります。J1やJ2では収容人数の目安も高く、地方の陸上競技場では基準をクリアできないケースが多いのが現状です。

サッカー専用スタジアムを新設したり、既存の競技場を大きく改修したりするには、多額の費用と自治体の合意が欠かせません。Jリーグのない県では、クラブ側と自治体側のタイミングが合わず、スタジアム整備の話がなかなか前に進まないことも、参入が遅れている理由の1つといえます。

地元企業スポンサーと経営体制の課題

経営を支える地元企業スポンサーやクラブ運営の体制も、Jクラブの有無に深く関わっています。

Jクラブとして安定して活動するには、メインスポンサーをはじめとした企業とのパートナーシップや、長期的な経営計画が欠かせません。大企業の本社や工場が少ない県では、クラブを長く支えるスポンサーの層が薄くなりやすく、収入面の見通しを立てづらい状況になりがちです。

さらに、地域とつながるホームタウン活動や育成年代のアカデミー運営などを行うには、専任スタッフや指導者をそろえる必要があります。Jリーグのない県では、JFLや地域リーグのクラブが限られた人員で運営していることも多く、本格的なプロクラブ体制へのステップアップに時間がかかる傾向があります。

Jリーグ参入を目指すクラブの動き

続いて、Jリーグのない県からJ参入を目指しているクラブの動きを県ごとに見ていきます。

岩手でJリーグ復帰を狙うクラブの現状

岩手県では、J3に所属していたいわてグルージャ盛岡が現在はJFLで戦っており、Jリーグ復帰を目標に活動しています。

過去にJリーグで戦っていた経験があるクラブなので、スタジアムや運営体制のベースは一定レベルまで整っています。一方で、降格後に観客数やスポンサーが減ってしまうリスクもあり、再びJ3に上がるにはピッチ内外の立て直しが重要です。

岩手のようなケースでは、「もう一度Jクラブを取り戻したい」という地元の気持ちが後押しになりやすい反面、結果が出るまで時間がかかることも少なくありません。長期的な目線でクラブを支えられるかどうかが鍵になってきます。

三重でJリーグ初クラブ誕生を目指す動き

三重県では、ヴィアティン三重がJFLからのJリーグ参入をねらう存在として知られています。

J3クラブライセンスを取得しているため、成績や観客動員などの条件が整えばJ参入の可能性が見えてきます。JFLで安定して上位争いをしつつ、スタジアム整備やホームタウン活動を積み重ねることが大きなテーマです。

県内には、かつてJFLでプレーしていたクラブや、東海リーグで戦うクラブもあり、サッカー文化自体はしっかり根付いています。その中でヴィアティン三重が「三重初のJクラブ」になれるかどうかは、Jリーグのない県が減っていく流れを象徴するポイントといえるでしょう。

福井和歌山島根でJリーグ入りを目指すクラブ

福井・和歌山・島根の3県にも、それぞれJリーグ入りを視野に入れたクラブが活動しています。

福井県の福井ユナイテッドFCは北信越リーグ1部で上位争いを続け、JFL昇格を当面の目標にしています。和歌山県のアルテリーヴォ和歌山は関西リーグ1部で力をつけながら、天皇杯で全国の注目を集める試合を増やしている段階です。

島根県ではベルガロッソいわみなどが中国リーグで戦い、地域リーグからJFL、そしてJリーグを目指す長い道のりに挑んでいます。こうしたクラブの存在は、Jリーグのない県でもサッカーに対する情熱が強く、将来のJクラブ候補が着実に育っていることを示しています。

Jリーグのない地域でサッカーを楽しむ方法

さらに、Jクラブがない地域に住んでいてもサッカーを楽しめる方法を観戦スタイルごとに紹介します。

JFLや地域リーグ観戦の楽しみ方

まず押さえておきたいのが、JFLや地域リーグを現地で観戦する楽しみです。

JFLや地域リーグの試合では、スタンドとピッチの距離が近く、選手の声や監督の指示がよく聞こえます。J1やJ2に比べてチケット料金も手ごろなことが多く、家族で観戦しやすいのも魅力です。

Jリーグのない県では、こうしたクラブが将来のJクラブ候補になっていることが多く、「このチームがいつかJ3に上がるかもしれない」という目線で応援できます。試合を重ねるごとにクラブと一緒に成長していく感覚を味わえるのは、このカテゴリーならではの面白さです。

近隣県のJクラブ観戦やアウェイ遠征のコツ

地元にクラブがない場合でも、近隣県のスタジアムに足を運ぶという選択肢があります。

車や電車で2〜3時間の範囲にJクラブがある地域なら、日帰り遠征で試合を楽しむことも十分可能です。あらかじめ試合日程とアクセスをチェックし、行きやすいスタジアムをいくつか候補として決めておくと、週末の予定が立てやすくなります。

交通費を抑えたいときは、自由席のある試合を選んだり、友人や家族と乗り合いで移動したりする方法もあります。地元クラブがないからこそ、複数のスタジアムを巡りながら「お気に入りのクラブ」や「お気に入りのスタジアム」を見つける楽しみ方もあります。

配信サービスで全国のJリーグを追う方法

スタジアムが遠い場合でも、配信サービスを活用すれば全国のJリーグを身近に感じられます。

J1からJ3まで多くの試合がライブ配信や見逃し配信に対応しているため、Jリーグのない県に住んでいても、自宅から好きなクラブや選手の試合をチェックできます。スマホやタブレットがあれば、移動中や空き時間にハイライトだけ見るといった楽しみ方も取り入れやすいです。

地元のJFLクラブや地域リーグのクラブが天皇杯などでJクラブと対戦するときは、事前に相手クラブの試合を配信で見ておくと、当日の試合をより深く味わえます。現地観戦と配信を組み合わせれば、クラブの有無に関係なくサッカーを楽しむ幅が広がります。

今後Jリーグのない県が減っていく可能性

記事の締めくくりとして、今後J無し県が減っていく可能性と、そのために必要な視点をまとめます。

クラブ数拡大とリーグ再編の流れ

Jクラブ数の拡大とリーグ再編の流れは、J無し県の解消と密接に関わっています。

Jリーグは発足当初の10クラブから現在は60クラブまで増え、J3の創設などを通じて地方クラブにもプロ参入のチャンスが広がってきました。今後も昇格・降格の仕組みや試合数の調整が続いていけば、より多くの地域にクラブが生まれる余地があります。

ただし、クラブ数を増やすだけではなく、既存クラブの経営の安定やスタジアム整備とのバランスも大切です。Jリーグ全体として無理のない成長を目指すことが、J無し県を減らすうえでの前提条件になります。

J3ライセンスや百年構想クラブの広がり

J3ライセンスや百年構想クラブといった制度も、Jリーグのない県にとって重要な仕組みです。

百年構想クラブとして認められると、地域に根ざしたクラブづくりを進めながら、将来のJリーグ参入を見据えた準備がしやすくなります。J3ライセンスを取得すれば、JFLで所定の成績を収めたときに昇格の権利を得られるため、クラブにとって大きなモチベーションになります。

福井や三重、和歌山、島根といった地域でも、こうした制度を意識しながらクラブ運営を進めている例が増えています。制度の広がりとともに、Jリーグのない県から将来のJクラブ候補が増えていく流れが期待できます。

地元からJクラブ誕生を後押しする関わり方

最後に、地元からJクラブ誕生を後押しする関わり方も整理しておきましょう。

サポーターや住民ができることとしては、地元クラブの試合を観に行く、グッズを購入する、SNSで情報をシェアするといった身近なアクションがあります。観客数や話題性が高まれば、自治体や企業側がクラブ支援に前向きになりやすくなります。

スタジアム整備やスポーツ施策に関する意見募集に参加したり、地域のサッカーイベントに顔を出したりすることも、長い目で見ればクラブを支える力になります。Jリーグのない県でも、一人ひとりの応援が積み重なれば、いつか新しいJクラブ誕生のきっかけになるかもしれません。

まとめ

Jリーグのない県は数が限られているからこそ、理由や今後の動きも気になりやすいです。

クラブがまだJリーグにいなくても、地域リーグやJFLに注目すべき存在がある県もあります。

今どこまで土台ができているかを見ると、将来の可能性も少し見えやすくなります。

地図だけでなく、その地域の動きまで追うと記事の面白さも増しますね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

参考情報

Jリーグクラブの所属状況は変わることがあるため、最新のクラブ一覧も確認しておくと安心です。